21世紀の資本
「21世紀の資本」r>gの世界
今から4年程前のことであるが資本主義経済における格差が広がる原因をr >gというとても簡単な算式によって誰にでもわかる形でその要因について書かれた本「21世紀の資本」を手にとって読んでみた。それまでは、日本はデフレだから預金でもっていれば、モノの値段が下がっていくので預金への投資もそれなりに合理性があると思っていたり、株式投資に対してはゼロサムゲームのようなもので個人投資家は機関投資家に勝てるわけもなく、手を出すとやけどするだけなので株式投資なんてやらずに仕事でいかに収入を増やすかということしか考えが及んでいませんでした。
r>gは、資産の投資収益率は賃金の成長率を上回るという意味であるが、経済の成長率が低く賃金が上がらない国では資産が生み出す収益率のほうが高いということです。資産家向けの相続関連の仕事をしているので不動産賃貸業をしているクライアントとは多く接しており、不動産といえばなんとなくバブルがはじけた頃の日本のイメージがあったので不動産賃貸業は多額の借入を伴うことが多くリスクの高い事業であると偏見で分類していたのですが、それでもなんだかんだ不動産は暴落することもなく毎年安定的に収益をあげていることから不動産賃貸業でもたらす収益は「r」であり格差をもたらす資産であることに徐々にイメージがかわってきました。
自由を求めて働くだけでは自由になれない
この本の中でも地主は中世ヨーロッパの時代から不動産賃貸から得られる収益率は5%前後みたいなことが書かれてあり今でも首都圏の不動産投資は平均すると5%くらいはあることから、不動産は一時的にバブル的な価格上昇の異常な時期を除けば長い歴史のなかでも5%近い収益率をもたらす資産であると紹介されていました。不動産は資本主義になる封建主義の時代から資産として確固たる地位を築き時代によって波はあるものの歴史がその価値を証明していることで不動産は今ではミドルリスク・ミドルリターンの資産として見方を改めています。
さてこの本の内容を今の日本の経済状況に置きかえてみたとき、賃金はもう何十年も上がっておらずフラットな状態でr>gの「g」の部分は限りなく低水準であることから、r−gの差は世界の中でも突出しているのではないかということにハッと思い至ったのです。このまま日本はデフレだからという理由で銀行預金をしながら頑張って働いていつかお金の悩みから開放されて自由になりたいと思っていても、投資をしながら働いている人との差は実は広がって、格差をつけられる側に回りいつになっても自由になれないことを「21世紀の資本」が教えてくれたのです。
この本を一つのきっかけとして本格的に投資を勉強することにしたのが、投資をはじめたきっかけの一つです。実はもうひとつ同じ頃に衝撃的な出来事があるのですが、それは追々書きたいと思います。
2017年度に購入した株式
過去の投資は投機だった
「21世紀の資本」を読んで投資をはじめたといいましたが、正確には投資を再開したというのが正しいです。社会人になって2年目くらいに少し株式投資をやっていた時期がありました。当時はライブドアや楽天などがIT企業が新興市場に上場しすごい勢いで株価があがり世間を賑わせていていたのでそういった株式をデイトレードのように頻繁に売買をしていました。社会人になって間もない頃だったので投資額もそれほど多くはなかったものの損失は重なり100万円近く損をしたよにう記憶してますが、自分には投資は向いてないのであろうという全て処分して株式投資はセロサムゲームで賭け事と同じようなものとして分類して遠ざかっていました。
それから10年以上の歳月が経過して資本主義経済の仕組みや格差が生まれる原因がr>gであることなど多くのことを学んで投資をはじめようと思ったとき、10年前は投資ではなくいわゆる投機であった失敗の経験を踏まえて、今回は真の意味で腰を据えてきちんと投資するという姿勢で2017年度に投資を再開しました。
購入した株式の銘柄
過去の失敗を踏まえて、今は2017年度よりも勉強して投資に関する知識がさらについて保有する投資先のタイプはだいぶ変わっていますが、2017年度時点の投資知識で下記の点を意識して個別銘柄を購入しました。
- この人なら企業価値を長期的にあげてくれる経営者または経営陣がいる会社に投資すること
- たとえ株価が半分になっても売らずに持っていようと思える会社であること
それを踏まて購入したのが「ユーザベース」と「アマゾン」でした。
この2つの銘柄に対してそれぞれ500万円程度と200万円程度購入したんですが、2021年8月末時点に投資成果は2017年から2021年までのチャートを見てのとおりなんですがユーザベースは上がり下がりの波が激しく当時の2倍程度でアマゾンは3倍程度になっているという状況です。
ただ、購入から現時点まで株価が乱高下したりコロナショックがあったりで結構売買してしまったので株価の上昇をそのまま享受できたわけではないというのが苦い失敗経験として刻まれています。やはり一度これと決めた株式については一時的な株価の乱高下に囚われず腰を据えて保有するのが長期的にリターンを最大化させることだと身をもって知るよい経験を得られたということで、この経験をは今の投資スタイルに生かされ今のところいいパフォーマンスとなっています。
これから保有している投資銘柄とそのパフォーマンスを紹介して投資を考えている人向けの参考となる情報を提供していくとともに投資収益でセミリタイヤが本当にできるのかその過程を綴っていきたいと思います。
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