この記事では2021年12月にダウ工業平均ETFが下落し、下落局面に入ったかのような場面がありました。2022年は米国の株式市場も利上げを見込して株式市場も大きく下落するのではないかと警戒される中、長期・分散・積立の代表的な投資対象である米国インデックス投資をやっている人向けに、こういった下落局面でどうやって向き合っていけばいいか自分が考えていることをまとめてみました。
インデックス投資をやってこれまでうまくいっていたが、下落が続くと不安を感じている人
大幅下落に備えていったん売却して現金化しようかと考えている人
下落した時に買うチャンスだと思っているが、追加投資の手元資金がない人
過去の暴落時に学べること
株式市場の歴史を見ると常に上がり続けることはなく下落する局面があり、時には暴落といわれるほど一定期間株価が大きく下落するということがあります。
過去を振り返って見ると1929年の「ウォール街の大暴落から始まる世界恐慌」1987年の「ブラックマンデー」2000年の「インターネット・バブル崩壊」2008年の「リーマンショック」2020年の「新型コロナウイルスパンデミック」などと世界を揺るがす大暴落が幾度も起きています。しかしながらそのいずれも今から振りかえってみると、絶好の買い場であっとという事実は暴落した時にこそ何度も見返すべきことだと自分に言い聞かせるようにしています。
1929年の「ウォール街の大暴落から始まる世界恐慌」は遥か昔の生まれる前の出来事として例外だとしても1987年の「ブラックマンデー」の暴落は、わずか35年くらい前の出来事にもかかわらず、2021年12月の現在から振り返ってみるとその下落幅を確認することすら難しいくらいの低い株価での増減となっています。そして衝撃を受けた「リーマンショック」。
この時は鮮明に記憶していますが、リーマン・ブラザーズ破綻というニュース以降、デスクに向かって仕事をしていると比較的上場して間もない不動産会社が破綻していくニュースがネット上で毎週のように表示されているという状況でした。この時、不動産関係の知人が不動産会社の月末の借入弁済時にマンションの購入の申し込みをしたら投げ売りされているマンションをさらにその8掛けくらいで買えると言われるくらい、上場している不動産会社がこんなに簡単に倒産していくものかということが鮮烈に記憶され、この記憶がレバレッジを使った不動産投資の怖さを反射神経として刻まれることになりました。
この時「100年に1度の大不況」や「資本主義の終焉」などと巷では言われ、このリーマン・ショックの下落から立ち直る日はもう来ないのではないかといった懸念や本当に資本主義に変わるイデオロギーが現れるのではないかと本気で思っていましたが、この時は株取引を全くやっておらず、この出来事による個人的な損失はなかったのですが、この時は株を買ってなくてよかったというくらいの低い金融知識レベルで、暴落時にここぞとばかりに株を買うといった知識を持ち合わせておらず、そのような行動が取れなかったことが今となっては悔やまれる思い出です。
リーマン・ショックの教訓
この衝撃的なリーマン・ショックによってニューヨークダウが50%近く下落するという未曾有の惨事も約5年間で元の水準まで戻ってきたという事実は、100年に1度の株式市場の暴落と言われているのでここから100年間の自分が生きている間は、50%以上の下落は起きないし、どんな暴落でも5年以内に元に戻るという確信を与えるには十分過ぎる事実です。もちろん100%リーマンショックのような大暴落は起きないといった保証はないというのは認識すべきですが、大暴落時の投げ売りしたい衝動を思い留まらせてそのうえで大暴落時に追加購入する勇気を与えてくれます。
暴落時にやってみたリバランス
実際最近の12月中旬に株価が大きく下落しました。大きく下落したといっても2%強ぐらいではありますがやはり大きく下落するとこれは暴落のはじまりかという不安はよぎります。
ここまでの金融知識から暴落時の投げ売りがもっともやってはいけない愚かな手というのは学んでいるので投げ売りは耐えられますが、追加購入する資金余力がない。こういった場合にどうしたらよいか。
暴落時の中でも下落幅はそれぞれ
暴落しているときは、全てが暴落しているように見えていましたが、実際よくみると「SPDR ダウ平均ETF」と「インベスコQQQトラストシリーズ1ETF」と「SPDR S&P500ETF」の3つのインデックスETFを比較してもその下落幅には各々差があり、タイミングによっては2つの銘柄は2%以上下がっているのに、残り1つはプラスになっているような場合もあることに気づきました。この3つは概ね連動して株価が上下していることが多いので、例えば「SPDR ダウ平均ETF」と「SPDR S&P500ETF」が下がっていれば、タイミングで「インベスコQQQトラストシリーズ1ETF」が上がっていたとしてもそのうち下がってくることが予想されると考えて、大きく下がっている中でもプラスになっていあるいは、その下がり幅が小さいインデックスETFを売却して、大きく下がっているETFを購入するというインデックスETFの中で株価の上がり下がりのタイミングを見て組み替えることで、将来の上昇局面で大きく値上がり幅が取れて回復が早くなるのではないかと思って実際やってみました。
結果はほぼ期待とおりで、大きく下げているインデックスETFがある中であがっているETFはタイミングが少し遅れてやはり大きく下げてきてましたが、その前に一部ですが売却しているので値下がりによるダメージが軽減されます。一方、大きく下げているETFを購入していることで上昇局面に入るとその分上がり幅も大きいので回復が早く、さらに株価があがり資産を増やすことを効率的に行えるという結果が得られました。ただし、含み益があると売却することで利益が確定してしまうので税金が発生するデメリットもあることから、このタイミングで含み損を抱えている銘柄を売却するなどして多少テクニックが必要な取引をあわせて行う必要があるのでそれを考えるとマイナス面もあるのでメリット・デメリットがありますが、個人的には暴落時に何もしないままただじっと耐えているというのも性に合わないので暴落時にはこのインデックスETFの株価上下のタイミングを見た組み換えをやっていきたいと思っています。
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